原状回復義務の範囲とは

アパートやマンションなどの賃貸住宅を退去する場合、借り手はその部屋を入居時の状態に戻してから出て行かなければなりません。

これを原状回復義務といい、一般的な賃貸借契約書には必ずと言っていいほど記載されています。ここで問題になるのは、どこまでが原状回復に当たるのかという点です。たとえば入居中にエアコンや浄水器などの設備を取り付けたのであれば取り外さなければならない、これは当然のことです。誤って壁にシミやキズを作ってしまったら補修しなければならない、これも理解できます。

では、畳の日焼けや壁紙の褪色はどうなのかというと、判断に迷ってしまいます。原状回復については、1998年に国からガイドラインが公表されています。それによれば、故意や過失、あるいは善管注意義務違反などによって住宅を損耗・毀損した場合は、賃借人に原状回復義務があるとされています。つまり、通常の使用による損耗、たとえば畳の日焼けや家具を置いたことによるカーペットの凹みなどは含まれないことになります。

仮にこれらを回復するよう家主から要求されても、拒否することができます。ただし、これはあくまでもガイドラインであって法的拘束力はありませんから、賃貸契約書の中に原状回復義務の及ぶ範囲が具体的に規定されていていれば、契約を取り交わした時点でその内容を承諾したと見なされるため、そちらが優先されます。契約書にサインする時は、内容をしっかり確認することが大事です。

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